なりゆきまかせ

基本備忘録です。いや。謎の進行実況です。

あの人はもういない

古いレコードを聞く会(仮称)参加。

12月は開戦とかの話もあり、その頃の曲を鑑賞。

 

当時は軍歌を超人気歌手に歌わせたりすんばらしい編曲したりで、流行歌として一般市民に広めようとした形跡が伺える。

だけど、庶民が聞きたいのはそういう曲ではなかったようで、セールス的には一部を除き、パッとしなかったようだ。

一方で、今聞けばなんの変哲もないような、牧歌的・旅情的な曲が政府によって放送禁止になっている。

理由もよく分からず、そういった曲の中には戦後リメイクされて大ヒットしたものもあるんだそうだ。

 

大戦の頃、鯉ちゃんの年が50代。
私は階級とか年齢的なポジションとかは全然詳しくないんだけど、中将として月島と共に職務を全うしたと描かれている。

放送禁止になった曲は、軍の中では聞く事ができたという。
警察の手が及ばないからだそうだ。

想像を絶する、人間の極限に置かれた状態の軍人さんたちには、今更軍歌などさらさら御免だったかもしれない。

 

 

 

 

 

史実とコミックを一緒くたに考えては申し訳ないけれども、そんな中彼らはどのような気持ちで兵たちを見つめていただろうと思うと、そちらも心が痛む。

いやむしろ、尚更実感がこもってしまって、今までよりそういう件については、しっかり考える事が多くなった気がする。

 

そして菊田さんはもうすでに、この世にはいない。

私の父の実家に飾られているご遺影の中に、父より随分年上の長兄のものがある。
違う戦争ではあるけれど、菊田家にも藤次郎さんのご遺影は、普通にあるのだろう。

優しくて朗らかで、働き者で真面目で頼もしい、戦争を生き延びて戻ってきたあの長兄は一体、どうなったのだろう。

きっと、ご両親のご自慢のお兄ちゃんだったに違いない。

せめてとりあえず何故か分からないけど名誉の殉職として、特務曹長から2階級くらい上の勲章を追記されて、菊田家に飾られていて欲しい。

菊田家は貧乏だったという。兄弟は、多かったんだろうか。

いつか、兄弟たちの子が遺影を見上げて「お母さんのお兄さん、かっこよかったんだねー」などと笑い合う、平和に繁栄した家族になっているんだろう。

(なお原作杢太郎さん本人に嫁とかそういうのは絶対に居なかった、そういう想定でお送りしております)

 

 

奥田のアホー。(暴言)